テナントの入居審査では何を見られる?新規開業・設立直後でも借りられるかを解説
コラム
2026.08.25

テナントの入居審査では何を見られる?新規開業・設立直後でも借りられるかを解説

希望条件に合う貸店舗や貸事務所を見つけて申込みをすると、多くの場合、その後に入居審査があります。

初めてテナントを借りる方の中には、

「何を審査されるの?」

「新しく会社を作ったばかりでも借りられる?」

「まだ売上がない新規開業だと難しい?」

「どんな書類を用意すればいい?」

と不安に感じる方もいるでしょう。

テナントの入居審査は、単純に現在の収入だけで判断されるとは限りません。

契約者の情報に加えて、どのような事業を、どのような計画で行うのかが確認されることもあります。

この記事では、店舗・事務所などのテナントを借りる際の入居審査について、審査で確認される可能性があるポイント、新規開業・法人設立直後の場合の考え方、必要書類、申込み前に準備しておきたいことを解説します。

※実際の審査基準や必要書類は、貸主・管理会社・保証会社・物件などによって異なります。

テナントの入居審査とは?

テナントの入居審査とは、物件への申込み後に、貸主や保証会社などが契約の可否を判断するために行う確認です。

貸主側からすると、テナントを貸すということは、一定期間にわたって建物を事業者に使用してもらうことになります。

そのため、

  • 賃料の支払いに問題がないか

  • どのような事業を行うのか

  • 建物に適した業種か

  • 周辺テナントに影響がないか

  • 契約条件に沿って利用できるか

などが確認されることがあります。

審査基準は物件や審査を行う会社などによって異なり、すべての審査項目が公開されているとは限りません。

「申込み=契約確定」ではない

テナント探しで最初に理解しておきたいのが、入居申込みをしただけで契約が確定するわけではないということです。

気に入った物件へ申込書を提出しても、その後の審査や契約条件の確認などを経て契約へ進みます。

そのため審査結果や契約条件が確定する前に、

  • 内装工事を正式発注する

  • 高額な設備を購入する

  • 開業日を確定して広告を出す

など、後から変更しにくい準備を進める場合は注意が必要です。

物件契約の進捗を確認しながら開業準備を進めましょう。

テナント審査で確認される主な5つのポイント

審査基準は一律ではありません。

そのうえで、テナントの申込み時に確認されることがある代表的な項目を見ていきましょう。

1.契約者の情報

まず確認されるのが契約者についての情報です。

個人契約であれば、

  • 氏名

  • 住所

  • 職業

  • 収入など

法人契約であれば、

  • 法人名

  • 本店所在地

  • 代表者

  • 設立年月

  • 資本金

  • 事業内容

などの情報を求められることがあります。

申込書には正確な情報を記入しましょう。

分からない項目がある場合は、推測して記入せず、不動産会社へ確認することをおすすめします。

2.どのような事業を行うのか

住居の賃貸と大きく異なるポイントのひとつです。

テナントでは、**「その物件で何をするのか」**が重要になります。

例えば「飲食店」とだけ伝えるより、

  • どのような料理を提供するのか

  • 営業時間

  • 酒類提供の有無

  • 席数

  • 想定する客層

  • 店内調理の内容

  • 臭い・煙の発生

  • 深夜営業の有無

などを説明できると、具体的な営業内容が伝わりやすくなります。

美容室、クリニック、サロン、スクールなどの場合も同様です。

業種名だけではなく、実際の営業内容を具体的に伝えることが大切です。

3.物件と業種の相性

契約者の支払い能力などに問題がなくても、希望する業種と物件の条件が合わない場合があります。

例えば、

  • 建物の管理規約

  • 他テナントとの関係

  • 騒音

  • 臭い・煙

  • 営業時間

  • 来客数

  • 建物設備

などの事情から、特定の業種での利用が認められないケースがあります。

つまりテナントの審査は、単純に**「賃料を支払えるか」だけで決まるものではありません。**

物件を探す段階から希望業種を具体的に伝えておくことが重要です。

4.賃料を継続して支払えるか

事業用物件でも、賃料を継続して支払えるかは重要な確認事項です。

法人契約では、決算書などの提出を求められる場合があります。

貸主側にとって重要なのは、契約時の初期費用だけではなく、契約後も継続して賃料を支払えるかという点です。

そのため、会社や事業の状況について資料の提出を求められることがあります。

5.これまでの事業実績・経験

すでに事業を行っている場合は、これまでの営業実績などが確認材料になることがあります。

例えば、

  • 会社の設立時期

  • 現在の事業内容

  • 営業年数

  • 既存店舗

  • 今回の出店理由

などです。

既存店舗からの移転や2店舗目以降の出店なら、

「なぜ今回この場所へ出店するのか」

についても説明できるようにしておくとよいでしょう。

新規開業でもテナントを借りられる?

これから初めて店舗を開業する方にとって、特に気になるポイントでしょう。

新規開業だからという理由だけで、一律にテナントを借りられないわけではありません。

ただし、新規開業の場合は過去の事業実績や決算書がありません。

そのため既存事業者とは異なる情報によって、

  • どのような事業を行うのか

  • どのような経験があるのか

  • 開業資金をどのように準備しているのか

  • どのような事業計画なのか

などを説明する必要が出てくる場合があります。

新規開業では事業計画を整理しておく

実績がない場合は、**「これからどのように事業を行う予定なのか」**を説明できるようにしておきましょう。

例えば、

  • 開業する業種

  • 商品・サービス

  • ターゲット顧客

  • 営業時間

  • 開業予定日

  • 開業資金

  • 資金調達方法

  • 売上計画

  • 経営者の経験

などです。

必ずしも何十ページもの資料を作る必要があるという意味ではありません。

重要なのは、事業内容と資金計画を具体的に説明できる状態にしておくことです。

開業する業種での経験も整理しておく

新規開業でも、これまで同じ業界で働いていた方は多くいます。

例えば、

「飲食店で長年勤務してから独立する」

「美容師として勤務した後、自分の美容室を開業する」

「勤務していた会社と同じ分野で独立する」

といったケースです。

こうした経験がある場合は、

  • 業界経験

  • 担当していた仕事内容

  • 開業する事業との関連性

などを整理しておくと、事業内容を説明しやすくなります。

法人設立直後でもテナントを借りられる?

会社を設立したばかりで、まだ最初の決算期を迎えていない場合もあります。

この場合も、法人設立直後だから一律に契約できないわけではありません。

ただし、過去の決算書など会社実績を示す資料がないため、

  • 事業計画

  • 資金状況

  • 代表者の情報

  • 代表者の事業経験

などの確認が行われる場合があります。

必要書類は物件ごとに異なるため、申込み前に確認しておきましょう。

個人事業主でもテナントを借りられる?

個人事業主だから契約できないというわけでもありません。

個人契約の場合は、

  • 本人確認書類

  • 収入などを確認する資料

  • 事業内容が分かる資料

などを求められることがあります。

これから個人事業主として開業する場合には、新規開業と同様に事業計画や資金計画などを求められる場合があります。

テナント審査で必要になる可能性がある書類

必要書類は物件によって異なります。

代表的なものを整理すると、次のようになります。

契約者 求められる可能性がある主な資料
法人 履歴事項全部証明書、代表者本人確認書類、決算書、会社概要、事業内容が分かる資料など
個人・個人事業主 本人確認書類、収入などを確認する資料、事業内容が分かる資料など
新規開業 事業計画書、資金計画、店舗コンセプト、メニュー・サービス内容、内装イメージなど

これはあくまで代表例です。

すべての物件ですべての書類が必要になるわけではありません。

反対に、物件によっては上記以外の資料を求められることもあります。

申込みをする物件ごとに必要書類を確認しましょう。

保証会社の審査とは?

テナント契約では、保証会社への加入が条件となっている物件もあります。

この場合、

貸主側の確認とは別に、保証会社による審査が行われることがあります。

保証会社によって、

  • 必要な情報

  • 必要書類

  • 審査内容

  • 保証料

などは異なります。

また、契約時の初回保証料だけでなく、

  • 更新保証料

  • 年間保証料

  • 月額保証料

などが設定される場合もあります。

初期費用を確認するときは、契約後に継続して発生する費用があるかも確認しましょう。

連帯保証人が必要になる場合もある

契約条件によっては、連帯保証人を求められる場合があります。

また、保証会社を利用するからといって、必ず連帯保証人が不要になるとは限りません。

申込み前に、

  • 保証会社への加入が必要か

  • 連帯保証人が必要か

  • 必要となる書類

  • 保証会社に関する費用

などを確認しておくとスムーズです。

テナントの入居審査にはどのくらい時間がかかる?

テナントの審査期間は一律ではありません。

  • 提出書類が揃っているか

  • 貸主側でどの程度の確認が必要か

  • 保証会社の審査があるか

  • 事業内容について追加確認が必要か

などによって変わります。

特に新規開業や物件側で確認事項の多い業種では、追加資料などを求められることもあります。

開業予定日が決まっていても、審査に必要な日数を借主側で決めることはできません。

余裕を持って物件探しを始めましょう。

テナント審査をスムーズに進めるためのポイント

審査に通ることを保証する方法はありません。

ただし、申込み時の情報を整理しておくことで、確認のやり取りをスムーズにできる可能性があります。

申込書は正確に記入する

基本的なことですが、申込書はできるだけ正確に記入しましょう。

記入漏れが多ければ、追加確認が必要になり手続きに時間がかかる可能性があります。

分からない項目を適当に記入せず、不動産会社へ確認してください。

事業内容は具体的に伝える

例えば、

「店舗」

だけでは、何をする店舗なのか分かりません。

「カフェ」であっても、

  • アルコール提供

  • 深夜営業

  • 店内調理

  • テイクアウト

  • 席数

などによって営業内容は異なります。

事業内容を具体的に伝えることは、契約後の「聞いていた営業内容と違う」というトラブルを防ぐためにも重要です。

必要書類を早めに準備する

履歴事項全部証明書や決算書、事業計画など、必要になる資料が分かったら早めに準備しましょう。

特に開業予定日が決まっている場合、書類の準備が遅れると、その後の契約・内装工事などのスケジュールにも影響する可能性があります。

希望する契約条件は申込み時に整理する

テナント契約では、

  • 賃料

  • 契約開始日

  • フリーレント

  • 引き渡し状態

  • 設備

  • 工事条件

などについて希望がある場合があります。

希望条件があるなら、契約直前になって突然伝えるのではなく、申込みの段階で整理して伝えるほうがスムーズです。

もちろん、希望した条件が必ず認められるわけではありません。

審査中に別の物件も探していい?

審査中の物件の扱いや申込みに関するルールについては、不動産会社へ確認してください。

ただし、申込みをしたからといって、必ずその物件で契約できるとは限りません。

開業時期が決まっている場合は、審査や契約に必要な期間も考慮してスケジュールを組むことが大切です。

審査承認後も契約条件を確認する

審査が承認されたとしても、それだけで物件選びが終了するわけではありません。

契約前には、

  • 賃料

  • 保証金・敷金

  • 礼金

  • 契約期間

  • 更新条件

  • 解約条件

  • 原状回復

  • 業種

  • 営業時間

  • 看板

  • 工事条件

などを改めて確認しましょう。

審査に通ることと、その契約条件が自分の事業に適していることは別です。

内容を確認したうえで契約へ進むことが重要です。

店舗の場合は工事・設備条件も契約前に確認する

特に店舗では重要です。

例えば飲食店なら、

  • 排気ダクト

  • ガス

  • 電気

  • 給排水

美容室なら、

  • シャンプー台

  • 給排水

  • 電気

  • 給湯

などが事業計画に大きく影響します。

審査が承認されたからと安心して契約するのではなく、希望する店舗を実際に作れるかを確認してから契約へ進みましょう。

必要に応じて、施工会社や内装業者にも物件を確認してもらう方法があります。

テナント審査前のチェックリスト

物件への申込みを考え始めたら、次の内容を整理しておきましょう。

  • □ 契約名義を決めた

  • □ 法人・事業者情報を整理した

  • □ 具体的な事業内容を説明できる

  • □ 営業時間を決めている

  • □ 開業予定時期を整理した

  • □ 開業資金・資金計画を整理した

  • □ 必要な設備を把握している

  • □ 必要な工事を把握している

  • □ これまでの事業・業界経験を整理した

  • □ 必要書類を確認した

  • □ 保証会社の条件を確認した

  • □ 連帯保証人の必要性を確認した

  • □ 希望する契約条件を整理した

新規開業の場合は、これに加えて簡潔な事業計画と資金計画を準備しておくと、事業内容を説明しやすくなります。

審査に不安がある場合は物件探しの段階で伝える

例えば、

「法人を設立したばかり」

「今回が初めての開業」

「個人事業主として開業予定」

といった事情がある場合は、物件を探す段階で不動産会社へ伝えておきましょう。

物件によって契約条件や必要書類などが異なるためです。

状況を共有したうえで物件を探すことで、申込み後の確認も進めやすくなります。

まとめ|テナント審査は事業内容を具体的に伝えることが大切

テナントの入居審査では、契約者の情報だけでなく、**「その物件でどのような事業を行うのか」**が確認されることがあります。

特に新規開業や法人設立直後の場合は、過去の事業実績がないため、

  • どんな事業をするのか

  • どのような経験があるのか

  • 開業資金をどのように準備しているのか

  • どのような計画で事業を行うのか

を整理しておくことが重要です。

そして、テナント探しの目的は**「審査に通ること」ではありません。**

審査承認後には契約条件や設備、工事、原状回復などを改めて確認し、

「この物件で予定している事業を無理なく続けられるか」

を判断してから契約へ進みましょう。

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新規開業、移転、2店舗目の出店などでテナントを探す場合は、まず、

希望エリア・業種・広さ・賃料・開業時期

を整理して物件を比較してみてください。

気になる物件が見つかったら、希望業種で利用できるか、必要な設備や工事に問題がないか、契約条件は事業計画に合っているかを確認しながら申込みを検討しましょう。

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