テナント申込みから契約・鍵渡しまでの流れ|店舗開業までにやることを順番に解説
コラム
2026.08.24

テナント申込みから契約・鍵渡しまでの流れ|店舗開業までにやることを順番に解説

気になるテナントを見つけて内見し、

「この物件で出店したい」

となったら、次は物件への申込みです。

しかし、初めて店舗や事務所を借りる方にとっては、

「申込みをしたら契約確定?」

「審査では何を見られる?」

「いつから内装工事を始められる?」

「鍵はいつもらえる?」

など、分からないことも多いでしょう。

事業用テナントは、申込みをしたらすぐに入居・開業できるわけではありません。

一般的には、

内見 → 業種確認 → 申込み → 審査 → 契約条件確認 → 契約 → 鍵渡し → 工事 → 開業

という流れで進みます。

この記事では、貸店舗・貸事務所を初めて契約する方に向けて、物件申込みから契約、鍵渡し、開業までの流れを順番に解説します。

※実際の手続き・必要書類・順序などは、物件・貸主・管理会社・保証会社・契約条件などによって異なります。

テナント申込みから開業までの流れ

まず全体の流れを確認しておきましょう。

STEP 主な内容
STEP1 テナントを内見する
STEP2 希望業種で利用できるか確認する
STEP3 入居申込みをする
STEP4 必要書類を提出する
STEP5 入居審査
STEP6 契約・工事条件を確認する
STEP7 初期費用を確認する
STEP8 賃貸借契約を締結する
STEP9 契約開始・鍵渡し
STEP10 内装・設備工事
STEP11 開業に必要な手続きを進める
STEP12 最終確認・開業

実際には複数の工程を並行して進める場合もあります。

特に店舗では内装・設備工事があるため、希望する開業日から逆算してスケジュールを考えることが重要です。

STEP1|気になるテナントを内見する

まずは候補物件を実際に確認します。

テナントの内見では、

  • 立地

  • 人通り・客層

  • 視認性

  • 広さ

  • 間口

  • 天井高

  • 電気容量

  • 給排水

  • ガス

  • 排気

  • 空調

  • 看板

  • 駐車場・駐輪場

  • 搬入経路

などを確認します。

店舗の場合は、単に室内を見るのではなく、**「この場所で実際に営業している状態」**をイメージしながら確認することが重要です。

飲食店や美容室など工事の多い業種では、候補物件が絞れてきた段階で施工会社や内装業者にも現地を確認してもらう方法があります。

STEP2|希望する業種で利用できるか確認する

物件が気に入ったら、希望する業種で利用できるか確認します。

募集資料に「店舗可」「飲食相談」などと記載されていても、すべての業種・営業形態が認められるとは限りません。

例えば、

  • 飲食店

  • 美容室

  • クリニック

  • 福祉施設

  • 学習塾

  • スクール

  • 深夜営業を行う店舗

  • 音や振動が発生する業種

などでは、事前確認が特に重要です。

業種名だけでなく、

  • 具体的な営業内容

  • 営業時間

  • 酒類提供の有無

  • 店内調理の内容

  • 工事内容

  • 使用する設備

  • 臭い・煙・音などの発生

についても、できるだけ具体的に伝えましょう。

「飲食店だから大丈夫」ではなく、「予定している営業内容で利用できるか」を確認することがポイントです。

STEP3|テナントの入居申込みをする

物件や業種条件などに問題がなければ、入居申込みへ進みます。

申込みでは、入居申込書などに契約者や事業についての情報を記入するのが一般的です。

個人で申し込む場合

求められる可能性がある情報には、

  • 氏名

  • 住所

  • 連絡先

  • 職業

  • 収入など

  • 開業予定の事業内容

などがあります。

法人で申し込む場合

法人の場合は、

  • 法人名

  • 本店所在地

  • 代表者

  • 事業内容

  • 設立年月

  • 資本金など

の情報を求められることがあります。

必要となる情報は物件などによって異なります。

「申込み=契約成立」ではない

ここは特に重要です。

入居申込みをしただけで賃貸借契約が成立するとは限りません。

申込み後には貸主や保証会社などによる審査が行われることがあります。

また、契約条件の確認や調整が必要になる場合もあります。

「申込みをしたから、この物件は確実に借りられる」と考えて、契約確定前に高額な設備を購入したり、変更できない開業準備を進めたりする場合は注意しましょう。

STEP4|必要書類を提出する

申込み・審査では、各種書類の提出を求められることがあります。

法人契約で求められる可能性がある書類

例えば、

  • 履歴事項全部証明書

  • 決算書

  • 代表者の本人確認書類

  • 会社概要

などです。

新規開業で求められる可能性がある資料

新しく事業を始める場合には、

  • 事業計画書

  • 資金計画

  • 店舗コンセプト

  • メニュー・サービス内容

  • 内装イメージ

などを求められる場合があります。

すべての物件ですべての資料が必要になるわけではありません。

必要書類は物件・貸主・管理会社・保証会社などによって異なるため、申込み時に確認しましょう。

STEP5|テナントの入居審査

必要な情報や書類を提出すると、入居審査が行われます。

審査方法や基準は一律ではありません。

契約者の情報だけでなく、

「その物件でどのような事業を行う予定なのか」

が確認されることもあります。

例えば、

  • 建物に適した業種か

  • 周辺テナントへの影響

  • 具体的な営業内容

  • 賃料を継続して支払えるか

などが確認材料となる場合があります。

新規開業・法人設立直後の場合

「会社を設立したばかり」

「今回が初めての店舗」

という方もいるでしょう。

新規開業や設立直後だからという理由だけで、一律にテナントを借りられないわけではありません。

ただし過去の事業実績や決算書がない場合は、

  • 事業計画

  • 開業資金・資金計画

  • 経営者の経験

  • 具体的な事業内容

などについて資料や説明を求められることがあります。

事業内容を具体的に説明できるよう準備しておきましょう。

STEP6|契約条件と工事条件を確認する

審査が進んだら、契約条件を改めて確認します。

特に確認したいのは、

  • 賃料

  • 共益費・管理費

  • 保証金・敷金

  • 礼金

  • 契約期間

  • 更新・再契約条件

  • 解約予告期間

  • 原状回復

  • 営業時間

  • 業種制限

  • 看板

  • 工事条件

  • 引き渡し状態

などです。

募集資料だけで判断せず、最終的には契約書などに記載される内容を確認しましょう。

「契約できる」と「希望する店舗を作れる」は別

店舗では特に重要です。

例えば、

  • 排気ダクトを希望する経路に設置できない

  • 看板を希望位置に設置できない

  • 必要な電気容量を確保できない

  • 給排水工事に制約がある

となれば、店舗計画そのものを変更しなければならない可能性があります。

そのため、契約前に希望する店舗を実際に作れるか確認することが重要です。

必要に応じて施工会社にも現地を確認してもらいましょう。

STEP7|契約時の初期費用を確認する

テナント契約では、契約時にまとまった費用が必要になる場合があります。

代表的なものには、

  • 保証金・敷金

  • 礼金

  • 前家賃

  • 共益費・管理費

  • 仲介手数料

  • 保証会社費用

  • 火災保険などの保険料

があります。

店舗の場合は、このほかにも、

  • 内装工事

  • 電気工事

  • 給排水工事

  • ガス・排気工事

  • 空調設備

  • 看板

  • 厨房機器

  • 什器・備品

などの費用が必要になる可能性があります。

物件を借りる費用だけで開業資金を使い切らないことが重要です。

開業後の賃料、人件費、仕入れ、水道光熱費などの運転資金も含めて資金計画を考えましょう。

STEP8|賃貸借契約を締結する

契約条件を確認し、貸主・借主双方が合意すれば賃貸借契約へ進みます。

契約時には、

「事前に確認していた条件と契約書の内容に相違がないか」

を確認しましょう。

分からない項目があれば、そのままにせず契約前に確認してください。

普通借家と定期借家の違いも確認する

テナントでは契約形態も重要です。

代表的なものに、

  • 普通借家契約

  • 定期借家契約

があります。

定期建物賃貸借契約では、契約期間満了により契約が終了し、更新はありません。

ただし、貸主・借主双方が合意すれば再契約できる場合があります。

長期間同じ場所で営業したい場合は、契約期間だけでなく契約形態や再契約に関する条件も確認しておきましょう。

STEP9|契約開始日と鍵渡し

契約では「いつから物件を使用できるのか」を確認します。

契約開始日から賃料が発生する条件であれば、

営業開始前の工事期間中にも賃料が発生する

ことがあります。

例えば、

9月1日 契約開始・工事開始
10月1日 店舗オープン

というスケジュールなら、9月は営業していなくても契約条件に基づく賃料が発生します。

店舗では、工事期間中の賃料も開業費用として考えておきましょう。

フリーレントがある場合

物件によっては、一定期間の賃料が免除される「フリーレント」が設定されている場合があります。

また、募集条件にはなくても契約条件として相談されるケースがあります。

ただし、すべての物件で利用できるわけではありません。

フリーレントに関連して一定期間内の解約に条件が設定される場合などもあるため、契約内容を確認しましょう。

鍵はいつ受け取れる?

鍵の引き渡し時期は契約条件によって異なります。

鍵を受け取る前に、借主の判断だけで工事を開始できるとは限りません。

契約前の施工会社による採寸や現地確認についても、貸主・管理会社などの許可が必要になる場合があります。

工事開始可能日を事前に確認しておきましょう。

STEP10|内装・設備工事を進める

物件を使用できる状態になったら、必要な内装・設備工事を進めます。

店舗によっては、

  • 内装

  • 電気

  • ガス

  • 給排水

  • 空調

  • 排気

  • 厨房

  • 看板

など複数の工事が必要です。

工事内容によっては、事前に貸主・管理会社へ図面や工事内容を提出し、承認を受ける必要があります。

ビル独自の工事ルールにも注意

テナントビルでは、

  • 工事可能時間

  • 工事可能曜日

  • 搬入経路

  • エレベーターの使用方法

  • 共用部の養生

  • 騒音を伴う工事

などについてルールが設定されている場合があります。

施工会社に任せきりにせず、工事前に確認しておきましょう。

STEP11|開業に必要な手続き・集客準備を進める

店舗を完成させるだけでは営業を開始できない業種もあります。

業種によって必要となる許可・届出などは異なります。

必要な手続きについては、物件契約後ではなく物件を探している段階から確認することが重要です。

必要に応じて管轄する行政機関や専門家へ確認しましょう。

開業前から集客準備を始める

内装工事と並行して、

  • 店舗看板

  • ホームページ

  • Googleビジネスプロフィール

  • SNS

  • チラシ

  • オープン告知

などの準備も進めます。

新規店舗の場合は、オープンしてから初めて集客を考えるのではなく、工事期間中から開業予定を告知するなど、事前に準備しておく方法があります。

STEP12|設備・室内を最終確認して開業

工事が完了したら、営業開始前に店舗を最終確認します。

例えば、

  • 電気

  • 照明

  • エアコン

  • 給排水

  • ガス

  • トイレ

  • 厨房設備

  • 看板

などです。

不具合が見つかった場合に対応できるよう、工事完了から開業までのスケジュールには余裕を持たせておくと安心です。

すべての準備が整えば、いよいよ営業開始です。

テナント申込みから開業までのチェックリスト

申込みから開業まで、次の項目を確認しながら進めましょう。

  • □ 希望する業種で利用できるか確認した

  • □ 営業時間などの条件を確認した

  • □ 入居申込書を提出した

  • □ 審査に必要な書類を提出した

  • □ 契約条件を確認した

  • □ 契約形態・契約期間を確認した

  • □ 原状回復条件を確認した

  • □ 希望する工事ができるか確認した

  • □ 看板設置条件を確認した

  • □ 初期費用の総額を確認した

  • □ 開業後の運転資金を確保した

  • □ 契約開始日を確認した

  • □ 鍵渡し・工事開始日を確認した

  • □ 工事ルールを確認した

  • □ 開業に必要な許可・届出を確認した

  • □ 開業前の集客準備を進めた

  • □ 設備・室内の最終確認をした

すべての工程がこの順番になるとは限りません。

分からない項目があれば、そのまま進めず、不動産会社・貸主・管理会社・施工会社などの関係者へ確認しましょう。

申込みを急ぐときほど契約・設備条件を確認する

条件の良いテナントでは、

「他の人に取られる前に申し込まないと」

と焦ることもあるでしょう。

しかし店舗の場合、契約後に、

「希望する工事ができなかった」

「想定以上に設備工事費がかかった」

「希望していた看板を設置できなかった」

となると、事業計画そのものに影響する可能性があります。

急いでいるときほど、

業種・設備・工事・契約条件・原状回復

について確認しましょう。

テナントを探し始める前に整理しておきたい条件

物件探しを本格的に始める前に、次の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 出店予定の業種

  • 具体的な営業内容

  • 営業時間

  • 希望エリア

  • 希望面積

  • 賃料予算

  • 開業予定時期

  • 必要な設備

  • 必要な駐車台数

  • 法人・個人の契約名義

  • 開業資金・資金計画

条件を整理しておけば、物件を比較しやすくなり、不動産会社にも希望内容を具体的に伝えやすくなります。

まとめ|テナント申込みから開業までは逆算して進める

テナント契約は、申込みをしたら終わりではありません。

申込み後にも、

審査 → 契約条件確認 → 契約 → 鍵渡し → 工事 → 開業準備

と多くの工程があります。

特に店舗の場合は、内装・設備工事に時間が必要です。

「○月にオープンしたい」

という目標があるなら、そこから逆算して物件探しを始めましょう。

また、気になる物件が見つかったら賃料や立地だけで判断せず、

「希望する事業をこの物件で本当に実現できるか」

を確認してから契約へ進むことが大切です。

物件を見つけることがゴールではありません。

その場所で無理なく事業を始め、続けられる物件を選ぶことがテナント探しでは重要です。

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エリア・賃料・広さ・業種・開業予定時期

などの希望条件を整理しながら物件を探してみてください。

気になる物件が見つかったら、内見で設備や周辺環境を確認し、契約条件や工事条件まで確認したうえで検討しましょう。

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