テナント内見で見るべき20項目|貸店舗・事務所で失敗しないチェックリスト
コラム
2026.08.23

テナント内見で見るべき20項目|貸店舗・事務所で失敗しないチェックリスト

気になるテナントが見つかり、いよいよ内見。

室内に入ると、

「思っていたより広い」

「ここならお店を出せそう」

「駅からも近いし、この物件にしようかな」

と、つい広さや内装の雰囲気だけで判断してしまいがちです。

しかし、店舗・事務所などの事業用物件では、住居とは違った視点で物件を確認する必要があります。

特に店舗の場合は、

  • 希望する業種で営業できるか

  • 必要な設備を設置できるか

  • 看板をどこに出せるか

  • 電気容量は足りるか

  • 給排水は使いやすい位置にあるか

  • お客様から店舗が見つけやすいか

  • 内装・設備工事にどの程度費用がかかるか

など、実際の営業を想定した確認が重要です。

この記事では、貸店舗・貸事務所を内見する際に確認したい20のチェックポイントを解説します。

内見前や内見当日に、スマートフォンで確認できるチェックリストとしても活用してください。

テナント内見20項目|まず確認したいチェックリスト

分類 チェックするポイント
立地・商圏 ① 駅からの動線
立地・商圏 ② 店舗前の人通り・客層
立地・商圏 ③ 曜日・時間帯による違い
視認性 ④ 道路から店舗が見えるか
視認性 ⑤ 看板を設置できるか
周辺環境 ⑥ 競合店・周辺店舗
店舗形状 ⑦ 間口
店舗形状 ⑧ 天井高
店舗形状 ⑨ 柱の位置
店舗形状 ⑩ 入口の位置・広さ
設備 ⑪ 電気容量
設備 ⑫ 給排水
設備 ⑬ ガス
設備 ⑭ 換気・排気
設備 ⑮ エアコン
設備 ⑯ トイレ
利便性 ⑰ 駐車場・駐輪場
利便性 ⑱ 搬入経路
契約・引渡し ⑲ 引き渡し状態
契約・退去 ⑳ 原状回復条件

すべての項目がすべての業種に必要というわけではありません。

例えば事務所なら排気設備の重要性は低い一方、飲食店では電気・ガス・給排水・排気設備が非常に重要になります。

自分の業種にとって重要な項目から優先的に確認しましょう。

テナント内見は「室内を見るだけ」では不十分

テナント内見で最初に覚えておきたいのが、物件の中だけを見て判断しないことです。

店舗なら、

「お客様がどうやって来店するか」

事務所なら、

「従業員や取引先が利用しやすいか」

まで確認する必要があります。

そのため内見では、

物件周辺 → 建物 → 室内 → 設備 → 契約条件

という順番で確認すると整理しやすくなります。

立地・商圏で確認する3項目

1.最寄り駅から物件まで実際に歩いてみる

「駅徒歩5分」と記載されていても、実際の歩きやすさは物件によって異なります。

可能であれば最寄り駅から物件まで実際に歩いてみましょう。

確認したいのは時間だけではありません。

  • 道は分かりやすいか

  • 信号はいくつあるか

  • 坂道はあるか

  • 人通りはあるか

  • 夜でも歩きやすそうか

  • 店舗が途中から見えるか

なども確認します。

店舗の場合は、自分がお客様になったつもりで歩くことがポイントです。

2.店舗前の人通りと客層を確認する

店舗立地では人通りも重要ですが、

「人が多い=良い立地」とは限りません。

大切なのは「誰が通っているか」です。

例えば、

  • 会社員

  • 学生

  • ファミリー

  • 高齢者

  • 観光客

  • 周辺住民

などによって、相性の良い店舗は変わります。

単純な通行量だけでなく、自分の店舗のターゲットになりそうな人が通っているかを確認しましょう。

3.曜日・時間帯による人通りの違いを確認する

一度の内見だけでは、その場所の人の流れを判断できないことがあります。

例えば住宅地なら、平日昼間は静かでも夕方になると駅から帰宅する人が増えることがあります。

反対にオフィス街では、平日は人が多くても土日は人通りが大きく減る場合があります。

可能であれば、

  • 平日昼

  • 平日夕方

  • 土日

など、実際に営業する予定の曜日・時間帯にも現地を確認してみましょう。

店舗の視認性・周辺環境で確認する3項目

4.道路から店舗が見えるか確認する

店舗では視認性が重要です。

道路の反対側や少し離れた場所から建物を見て、

「ここに店舗がある」とすぐ分かるか

を確認しましょう。

特に、

  • 建物の奥

  • 2階以上

  • 地下

  • 路地

  • 大型ビルの中

などでは注意が必要です。

駅から近くても店舗の存在が分かりにくければ、看板などで視認性を補う必要があります。

5.看板をどこに設置できるか確認する

店舗の視認性を大きく左右するのが看板です。

内見時には、

  • ファサード

  • 袖看板

  • 窓面

  • 建物入口

  • 共用看板

  • スタンド看板

などを確認しましょう。

ただし、スペースが空いているからといって自由に看板を設置できるとは限りません。

貸主・管理会社の承諾や、サイズ・デザインなどに制限が設けられている場合があります。

契約前に看板の設置条件を確認しておきましょう。

6.競合店と周辺店舗を確認する

物件周辺にどんな店舗があるかも重要です。

例えば美容室を出店するなら、周辺の美容室について、

  • 店舗数

  • 店舗規模

  • 客層

  • 価格帯

  • 営業時間

などを確認してみましょう。

ただし、競合店がある=出店に向かないとは限りません。

同じ業種が集まっていることで、そのエリアに一定の需要がある可能性もあります。

競合の数だけで判断せず、商圏全体を見ることが大切です。

店舗・室内で確認する4項目

7.店舗の間口を確認する

店舗では面積だけでなく「間口」も重要です。

同じ20坪でも、横に広い店舗と奥に細長い店舗では使い勝手や見え方が大きく異なります。

間口が広ければ、

  • 店舗の存在を認識してもらいやすい

  • 看板を設置しやすい

  • 店内が外から見えやすい

といったメリットがあります。

坪数だけでなく、実際の店舗形状まで確認しましょう。

8.天井高を確認する

天井高は店舗の印象だけでなく、設備工事にも関係します。

特にスケルトン物件では、内見時には天井が高く見えても、

  • 空調

  • 排気ダクト

  • 配管

  • 照明

  • 天井仕上げ

などを施工すると、実際に使用できる高さが変わる場合があります。

完成後の状態を想定して確認することが重要です。

9.柱の位置とレイアウトへの影響を確認する

図面では広く見えても、室内中央に大きな柱があるとレイアウトが制限されることがあります。

例えば、

  • 客席

  • 商品棚

  • カウンター

  • 個室

  • 施術スペース

  • デスク

などを実際に配置できるか考えてみましょう。

「何坪あるか」だけではなく、実際に使いやすい空間がどの程度あるかを見ることが重要です。

10.入口の位置・幅・段差を確認する

店舗入口では、

  • ドアの幅

  • 段差

  • 開く方向

  • 自動ドアか

  • 道路から入口が見えるか

などを確認します。

クリニックや福祉関連などでは、車いすやベビーカーで利用しやすいかという視点も必要になる場合があります。

また、大型設備を搬入する店舗では、入口幅が搬入にも影響します。

テナント設備で確認する6項目

11.電気容量は足りるか確認する

テナント内見で特に重要な設備のひとつです。

業種によっては多くの電力を使用します。

例えば、

  • 飲食店

  • 美容室

  • クリニック

  • サロン

  • オフィス

などです。

現在の容量で不足する場合、増設工事が必要になる可能性があります。

ただし、建物全体の設備状況によっては希望する容量まで増やせないこともあります。

使用予定の機器が決まっている場合は、早い段階で確認しましょう。

12.給排水の位置を確認する

飲食店、美容室、クリニックなどでは特に重要です。

給排水設備の位置によって、店舗レイアウトと工事費が大きく変わる可能性があります。

例えば美容室でシャンプー台を設置したい場所と既存の給排水位置が離れていれば、追加工事が必要になることがあります。

希望するレイアウトをイメージしながら確認しましょう。

13.ガス設備と容量を確認する

飲食店などでガスを使用する場合は、

  • ガスが引き込まれているか

  • 必要な容量を確保できるか

を確認します。

以前も飲食店だった物件だからといって、自分の業態に必要な設備がそのまま利用できるとは限りません。

特にガスを多く使用する業態では、施工会社などにも確認してもらいましょう。

14.換気・排気ダクトの経路を確認する

飲食店では特に重要なポイントです。

厨房の排気をどこから外へ出せるのか確認します。

排気ダクトを設置できても、建物の構造や貸主側の条件によって工事内容が大きくなる場合があります。

また、臭いや煙などの問題から希望業種での利用が認められないこともあります。

物件申込み前に確認しておきたい項目です。

15.エアコンの状態と所有区分を確認する

エアコンが付いている場合でも、**「付いている=そのまま使用できる」**とは限りません。

確認したいのは、

  • 正常に動作するか

  • 使用年数

  • 誰の所有物か

  • 貸主設備か残置物か

  • 故障時の修理負担

などです。

残置物の場合は、修理・交換が借主負担となる契約もあります。

契約条件と合わせて確認しましょう。

16.トイレの位置・仕様を確認する

トイレも店舗レイアウトや工事費に影響する場合があります。

確認したいのは、

  • 店内にあるか

  • 共用トイレか

  • 和式・洋式

  • 男女別か

  • 従業員とお客様で共用するか

などです。

業種や店舗規模によって必要となる条件も異なるため、予定している店舗で問題がないか確認しましょう。

駐車場・搬入経路で確認する2項目

17.駐車場・駐輪スペースを確認する

地域密着型店舗では特に重要です。

専用駐車場がない場合でも、周辺にコインパーキングがあれば対応できるケースがあります。

また、美容室・クリニック・整体・学習塾・住宅地の飲食店などでは、自転車で来店する顧客も考えられます。

店舗前にスペースがあっても、共用部分のため駐輪できない場合があります。

実際にお客様がどうやって来店するのかまで考えて確認しましょう。

18.商品・設備の搬入経路を確認する

商品や大型設備を搬入する店舗では重要です。

確認したいのは、

  • 建物前に車を停められるか

  • 搬入口はあるか

  • エレベーターはあるか

  • エレベーターのサイズ

  • 階段幅

  • 廊下幅

  • 店舗入口の幅

などです。

大型の厨房機器や設備が入口・階段・エレベーターを通らないこともあります。

設備を購入してから気付かないよう、事前に確認しましょう。

契約・引き渡し条件で確認する2項目

19.物件の引き渡し状態を確認する

現在内見している状態のまま引き渡されるとは限りません。

特に居抜き物件では、

「この厨房機器は残る?」

「このエアコンは利用できる?」

「この棚は撤去される?」

などを確認しましょう。

内見時にあった設備が、契約開始時には撤去されている可能性もあります。

重要なのは、

何が残るのか
何が撤去されるのか
残る設備は誰の所有物なのか

を確認することです。

居抜き物件では、設備が「貸主設備」なのか「残置物」なのかによって、故障時の扱いなどが異なる場合があります。

20.退去時の原状回復条件を確認する

最後に忘れてはいけないのが退去時の条件です。

物件・契約内容によっては、退去時に店舗内装や設備を撤去し、スケルトン状態へ戻すことが条件となっている場合があります。

契約時には開業のことばかり考えがちですが、退去時の工事費も将来発生する可能性があります。

契約前に、

  • 原状回復の範囲

  • スケルトン返しの有無

  • 設備撤去の範囲

  • 看板撤去

  • 借主が設置した設備の扱い

などを確認しましょう。

居抜き物件を内見するときの注意点

居抜き物件の場合は、さらに設備の状態を確認する必要があります。

例えば、

  • 厨房機器

  • 冷蔵庫

  • エアコン

  • 給湯器

  • シャンプー台

  • カウンター

  • 照明

  • 排気ダクト

などです。

重要なのは、**「あるかどうか」ではなく「実際に使えるかどうか」**です。

既存設備を活用できれば開業費用を抑えられる可能性があります。

一方で、古い設備の交換や不要設備の撤去が必要になれば、想定以上に費用がかかる場合があります。

設備の状態・所有区分・修理負担まで確認して判断しましょう。

スケルトン物件は施工会社と一緒に確認する

スケルトン物件では、内装・設備工事が多くなる傾向があります。

候補物件が絞れてきたら、可能であれば施工会社や内装業者にも現地を確認してもらいましょう。

特に、

  • 電気

  • ガス

  • 給排水

  • 排気

  • 空調

などは専門的な確認が必要になることがあります。

契約してから、**「希望する店舗を作るには予算が足りない」**となることを防ぐためにも重要です。

テナント内見時に写真で残しておきたい場所

貸主や管理会社の許可を得たうえで、写真を撮影しておくと物件比較に役立ちます。

おすすめは、

  • 店舗正面

  • 店内全体

  • 天井

  • 分電盤

  • エアコン

  • 給排水

  • トイレ

  • 看板設置場所

  • 建物入口

  • 周辺道路

などです。

複数物件を内見すると、後から記憶が混ざりやすくなります。

写真と簡単なメモをセットで残すと比較しやすくなります。

テナント内見にはメジャーを持っていく

内見時にあると便利なのがメジャーです。

募集図面だけでは分からない、

  • 間口

  • 柱から壁まで

  • 入口幅

  • 厨房スペース

  • カウンター幅

  • 家具・設備設置場所

などを測ることができます。

特に大型設備を設置する予定がある場合は、重要な寸法を確認しておきましょう。

内見後は複数のテナントを同じ基準で比較する

内見が終わったら、

「雰囲気が良かった」

という感覚だけで判断せず、条件を整理して比較しましょう。

項目 物件A 物件B
立地
視認性
賃料
内装・工事費
設備
駐車・駐輪
看板

このように同じ項目で比較すると判断しやすくなります。

特に重要なのは、家賃だけで比較しないことです。

賃料が安くても、大規模な内装・設備工事が必要なら、開業までの総額では高くなる場合があります。

物件取得費・工事費・設備費まで含めて比較しましょう。

テナント申込み前に確認しておきたい契約条件

物件が気に入っても、その場ですべてを判断する必要はありません。

申込み前には、

  • 希望業種で営業できるか

  • 営業時間の制限

  • 看板設置条件

  • 工事可能範囲

  • 保証金・敷金

  • 契約期間

  • 解約条件

  • 原状回復

  • 引き渡し状態

など、内見だけでは分からない条件を不動産会社へ確認しましょう。

特に、業種・工事・設備・原状回復は契約後の事業計画や費用に大きく影響する可能性があります。

「たぶん大丈夫」で契約を進めず、不明点は契約前に確認しましょう。

テナント内見当日に使える20項目チェックリスト

内見前・内見中に、次の項目を確認してみてください。

  • □ 駅から実際に歩いた

  • □ 人通り・客層を確認した

  • □ 営業予定時間の周辺環境を確認した

  • □ 道路から店舗が見えるか確認した

  • □ 看板設置場所を確認した

  • □ 競合・周辺店舗を確認した

  • □ 間口を確認した

  • □ 天井高を確認した

  • □ 柱の位置を確認した

  • □ 入口幅・段差を確認した

  • □ 電気容量を確認した

  • □ 給排水を確認した

  • □ ガス設備を確認した

  • □ 換気・排気を確認した

  • □ エアコンを確認した

  • □ トイレを確認した

  • □ 駐車・駐輪環境を確認した

  • □ 搬入経路を確認した

  • □ 引き渡し状態を確認した

  • □ 原状回復条件を確認した

すべてを内見当日に確定できるとは限りません。

分からなかった項目はメモしておき、申込み・契約前に確認する項目として残しておきましょう。

まとめ|テナント内見は「実際に営業できるか」で判断する

テナント内見では、広さや内装の雰囲気だけを見るのではなく、**「ここで実際に営業したらどうなるか」**を想像することが重要です。

お客様は店舗を見つけられるか。

スタッフは働きやすいか。

必要な設備を設置できるか。

希望する内装工事ができるか。

開業までにどの程度の費用が必要か。

将来退去するときに、どのような費用が発生する可能性があるか。

こうした点まで確認して物件を比較しましょう。

特に店舗では、

立地 × 視認性 × 設備 × 工事費 × 契約条件

を総合的に判断することが大切です。

気になる物件が見つかったら、一度の内見だけで決めず、必要に応じて時間帯を変えて周辺を確認したり、施工会社に設備・工事について確認してもらったりすることも検討しましょう。

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気になる物件が見つかったら、この記事の20項目を確認しながら内見してみてください。

「家賃・広さ・駅徒歩」だけではなく、「その場所で実際に事業を続けられるか」という視点で物件を選ぶことが、テナント探しでは重要です。

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