1階路面店と2階以上のテナントはどっちがいい?開業前に知りたい店舗物件の選び方
はじめに|「店舗なら1階が一番」とは限らない
これから店舗を開業するために物件を探していると、
「やっぱり1階の路面店がいい?」
「2階なら家賃を抑えられる?」
「美容室やサロンなら2階でも大丈夫?」
と悩むことがあります。
店舗物件では、同じエリアでも階数によって視認性や来店動線、看板の出し方などが変わります。
1階路面店には、道路から店舗を見つけてもらいやすく、入口までの動線が分かりやすいというメリットがあります。
一方、予約やWEB・SNSからの集客が中心で、目的を持って来店するお客様が多い業種なら、2階以上も十分に候補になる場合があります。
重要なのは、
「1階だから良い」「2階だから悪い」ではなく、自分の業種・集客方法・顧客の来店動線に合っているか
で判断することです。
この記事では、これから開業する方に向けて、1階路面店と2階以上のテナントの違いと、物件選びで確認したいポイントを解説します。
※利用可能な業種、看板、営業時間、設備、共用部の利用条件などは物件・建物によって異なります。具体的な条件は契約前に確認してください。
最初に考えたいのは「お客様はどうやって店を知るのか」
階数を決める前に考えたいのが、店舗の集客方法です。
お客様が店を知るきっかけには、
-
通りがかり
-
看板
-
Google検索・Googleマップ
-
ホームページ
-
SNS
-
予約サイト
-
広告
-
紹介
-
既存顧客
などがあります。
歩いている人に店舗を見つけてもらい、その場での入店も期待する業態では、1階路面店の視認性が大きな意味を持つ場合があります。
一方、事前予約や検索を経て来店する店舗では、道路から直接店舗が見えないことが必ずしも大きな弱点になるとは限りません。
自分の店がお客様にどう発見され、どう来店されるのか。
ここから物件条件を考えましょう。
1階路面店とは?
一般に、道路や歩道に面した1階部分にあり、道路側から店舗の存在を認識しやすい物件を「1階路面店」と呼ぶことがあります。
ただし、1階だから必ず路面店というわけではありません。
例えば、
-
建物の奥に入口がある
-
通路を入った先に店舗がある
-
道路から店内が見えない
-
建物入口と店舗入口が分かりにくい
といった物件もあります。
物件情報の「1階」という文字だけで判断せず、現地で道路からの見え方を確認しましょう。
1階路面店のメリット
道路から認識してもらいやすい
1階路面店では、
-
店名
-
看板
-
ガラス面
-
商品
-
店内
-
入口
などが道路から見え、通行人に店舗の存在を知ってもらえる可能性があります。
新規開業では、まだ店名を知られていない状態から営業を始めます。
店舗そのものが認知を得るきっかけになる点は、1階路面店のメリットです。
入店動線が分かりやすい
道路から直接入れる店舗なら、初めてのお客様も入口を見つけやすくなります。
階段やエレベーターを利用せずに入店できる物件もあります。
ただし、1階でも入口に段差があったり、道路から店舗まで距離があったりする場合があります。
実際の動線を確認しましょう。
1階なら必ず目立つわけではない
同じ1階でも、
-
間口が狭い
-
看板が見えにくい
-
街路樹などで隠れる
-
建物が道路から奥まっている
-
人の流れと入口の向きが合っていない
などによって視認性は変わります。
内見するときは店舗の正面だけではなく、
お客様が歩いてくる方向から店舗を見る
ことをおすすめします。
看板を自由に設置できるとは限らない
路面店でも、好きな場所に自由に看板を設置できるとは限りません。
建物によって、
-
壁面看板
-
袖看板
-
突出し看板
-
窓面への表示
-
置き看板
-
照明
などに条件が設定されている場合があります。
看板が集客上重要な業態では、設置できる位置・大きさなどを契約前に確認しましょう。
2階以上のテナントも十分に候補になる
2階以上だから店舗に向かないわけではありません。
例えば、
-
美容室
-
ネイルサロン
-
エステ
-
パーソナルジム
-
整体
-
スクール
-
学習塾
-
予約型サービス
などでは、通りがかりだけに依存せず、目的を持って来店するお客様が多い場合があります。
クリニック等についても、物件条件や利用者層によって2階以上が候補になる場合があります。
ただし、高齢者や歩行に配慮が必要な利用者が多い業態では、階段・段差・エレベーターなどの来店動線をより慎重に確認しましょう。
重要なのは、
自分の店舗に「偶然の来店」がどの程度必要なのか
を考えることです。
2階以上では「道路から店舗まで」を確認する
2階以上の店舗では、室内だけを見て判断しないことが重要です。
お客様は、
道路
↓
建物入口
↓
階段・エレベーター
↓
店舗入口
というルートを通ります。
途中で、
「入口が分からない」
「何階にあるのか分からない」
となれば、初めてのお客様にとって負担になります。
内見するときは、お客様になったつもりで道路から店舗まで歩いてみましょう。
階段・エレベーターも物件条件の一部
2階以上では、
-
階段の場所
-
階段の幅や勾配
-
夜間の明るさ
-
エレベーターの有無
-
エレベーターの利用時間
-
共用入口の施錠時間
-
店舗までの案内表示
-
搬入のしやすさ
などを確認します。
エレベーターがある場合でも、「あるから問題ない」とは限りません。
店舗の営業時間と建物の利用条件が合っているかまで確認しましょう。
2階以上では「店の存在をどう伝えるか」が重要
2階以上では、歩行者から店舗そのものが見えにくくなることがあります。
そこで、
-
1階入口の案内
-
建物案内板
-
袖看板
-
壁面看板
-
窓面サイン
などを利用できるか確認します。
道路を歩いている人に、上階に店舗があることをどう伝えるのか。
ここまで考えて物件を比較しましょう。
2階以上なら賃料が安いとは限らない
「2階なら1階より安い」とは一律に言えません。
賃料は、
-
立地
-
駅からの距離
-
建物
-
面積
-
築年数
-
設備
-
募集条件
など多くの要素で変わります。
実際の募集条件を比較する必要があります。
また、重要なのは単純な賃料の安さではありません。
1階の視認性が事業に必要なら、高い賃料を負担する合理性がある場合があります。
反対に、予約中心の店舗で1階の視認性をそれほど必要としないなら、上階も比較することで選択肢を広げられる可能性があります。
自分の事業に必要な立地条件へ、どこまで固定費をかけるのか
という視点で判断しましょう。
1階店舗では「間口」も確認する
路面店では、面積だけでなく間口も重要です。
同じ面積でも、
-
道路に広く面している
-
間口が狭く奥行きが長い
-
入口が建物の端にある
など、形状によって店舗の見え方は変わります。
平米数だけを見るのではなく、
道路から店舗がどの程度見えるのか
を確認しましょう。
ガラス面は業種との相性を見る
大きなガラス面がある店舗では、店内の様子を道路から見せられる場合があります。
カフェ、美容室、物販などでは、店内の雰囲気が見えることが来店のきっかけになることもあります。
一方、
-
エステ
-
個室サービス
-
医療系
-
プライバシーを重視する業態
などでは、外から見えすぎることが適さない場合があります。
「ガラス面が広い=良い物件」ではなく、営業内容との相性を考えましょう。
人通りは「量」だけでなく「誰が歩いているか」を見る
店舗前に多くの人が歩いていても、その人たちが自分の顧客になるとは限りません。
例えば、
-
通勤客
-
学生
-
ファミリー
-
観光客
-
近隣住民
-
オフィスワーカー
では、店舗を利用する目的や時間帯が異なります。
また、朝は人が多くても営業予定時間には少ないことがあります。
可能であれば、実際に営業する曜日・時間帯の周辺状況も確認しましょう。
2階以上ではWEB集客との組み合わせも考える
2階以上では、道路からの視認性だけに頼らない集客方法も重要です。
例えば、
-
Google検索・Googleマップ
-
ホームページ
-
SNS
-
予約サイト
-
WEB広告
などから店舗を知ってもらい、
「この店へ行きたい」
という状態で来店してもらう方法です。
その場合でも、初回来店で迷わないよう、
-
建物外観
-
入口
-
フロア
-
店舗入口
などが分かる情報を用意するとよいでしょう。
物件選びと集客方法は一緒に考えることが大切です。
飲食店は1階の方がいい?
飲食店では1階路面店が候補になりやすい一方、必ず1階でなければならないわけではありません。
確認すべきなのは階数だけではなく、
-
排気・ダクト
-
ガス
-
電気
-
給排水
-
厨房
-
搬入
-
ごみ処理
-
看板
-
営業時間
などです。
特に上階では、排気経路や搬入方法などを慎重に確認する必要があります。
「1階だから飲食店向き」「2階だから難しい」と階数だけで判断せず、営業内容と設備条件を確認しましょう。
美容室・サロンは2階でも検討できる?
予約来店が中心なら、2階以上も候補になる可能性があります。
確認したいのは、
-
建物入口
-
看板
-
階段・エレベーター
-
給排水
-
給湯
-
電気
-
空調
-
内装工事の可否
などです。
特に美容室では、階数以上にシャンプー台などに必要な給排水・給湯設備が重要になる場合があります。
パーソナルジム・スクールは建物全体を見る
パーソナルジムやスクールなどでは、専有部分だけでなく建物内の他区画や共用部の条件も確認しましょう。
例えば、
-
運動による音・振動
-
音楽や授業の声
-
利用者の出入り
-
営業時間
-
夜間の建物利用
-
階段・エレベーター
-
避難動線
などです。
単に「この業種で入居可能か」と確認するだけではなく、実際の営業内容を具体的に貸主・管理会社へ伝えることが重要です。
1階と2階以上を比較するチェックリスト
候補物件は同じ基準で比較すると判断しやすくなります。
視認性
-
道路から店舗が見えるか
-
店名を認識できるか
-
建物入口が分かりやすいか
-
想定顧客が来る方向から見えるか
看板
-
看板を設置できるか
-
1階入口に案内を出せるか
-
窓面を利用できるか
-
サイズ・位置に制限があるか
来店動線
-
道路から入口まで迷わないか
-
階段は利用しやすいか
-
エレベーターは利用できるか
-
共用部は店舗利用に適しているか
営業時間
-
建物入口の利用時間
-
エレベーター等の利用時間
-
希望営業時間で営業できるか
搬入
-
商品・機材を搬入できるか
-
階段・エレベーターのサイズ
-
搬入経路
-
搬入時間の制限
設備
-
電気
-
ガス
-
給排水
-
排気
-
空調
-
通信
など、自分の営業に必要な設備を確保できるか確認します。
費用
-
賃料
-
共益費
-
看板等に関する費用
-
初期費用
-
設備工事
-
内装工事
まで含めて比較しましょう。
昼と夜の両方を見る
店舗物件は、時間帯によって印象が変わることがあります。
昼は分かりやすくても、夜になると、
-
建物入口が暗い
-
看板が見えにくい
-
人通りが変わる
-
共用部の雰囲気が変わる
ことがあります。
反対に夜型の飲食店なら、夕方以降の方が実際の営業環境を確認しやすいでしょう。
可能であれば、営業予定時間帯にも現地周辺を確認しましょう。
「絶対に1階」にする前に必要性を考える
業態によって1階が重要な場合はあります。
ただし、理由を整理せずに「絶対1階」とすると、候補を狭める可能性があります。
例えば、
-
予約中心
-
紹介中心
-
WEB集客中心
-
既存顧客がいる
-
目的来店型
の店舗なら、2階以上も比較する価値がある場合があります。
反対に、通行人からの認知やその場での入店を重視するなら、1階路面店を優先する合理性があります。
**「何階がいいか」ではなく、「自分の集客方法に何階が適しているか」**で考えましょう。
1階・2階以上の店舗選びでよくある質問
Q1.店舗を開業するなら1階路面店の方が成功しやすいですか?
階数だけで事業の成否を判断することはできません。
業種、顧客、集客方法、立地、賃料、競合、設備など多くの条件が関係します。
1階の視認性が重要な業態もあれば、2階以上でも目的来店を期待できる業態もあります。
Q2.2階以上なら賃料は安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。
賃料は立地、建物、面積、設備、築年数、募集条件などによって異なります。
階数だけではなく、実際の募集条件を比較しましょう。
Q3.エレベーターがなければ2階店舗は避けた方がいいですか?
一律には判断できません。
顧客層、業態、階段の形状、来店頻度、荷物の搬入などを考える必要があります。
特に高齢者や歩行に配慮が必要な利用者が多い店舗では、来店動線を慎重に確認しましょう。
実際のお客様になったつもりで、道路から店舗まで歩いて確認することをおすすめします。
Q4.2階店舗でも看板は出せますか?
物件によって異なります。
建物入口、壁面、窓面、共用看板などへ表示できる場合がありますが、設置位置・サイズ・デザイン等に条件があることもあります。
看板が集客上重要な場合は、契約前に確認しましょう。
Q5.路面店なら広告をしなくても集客できますか?
路面店であっても、それだけで十分な集客ができるとは限りません。
立地、視認性、業態、競合、周辺を通る人の属性などによって異なります。
店舗そのものの認知に加えて、Google検索・Googleマップ、ホームページ、SNSなどを組み合わせることも検討しましょう。
Q6.内見では店舗室内以外に何を見ればいいですか?
特に確認したいのは、
-
道路からの見え方
-
建物入口
-
看板を設置できる場所
-
階段・エレベーター
-
共用部
-
搬入経路
-
周辺環境
-
営業予定時間帯の人の流れ
などです。
店舗の中を見るだけではなく、お客様の来店ルートを実際に歩いて確認すると分かりやすくなります。
まとめ|「何階か」より「自分のお客様が来店しやすいか」で選ぶ
1階路面店と2階以上の店舗には、それぞれ異なる特徴があります。
1階路面店では、
-
視認性
-
看板
-
入店動線
-
通行人からの認知
などが強みになる可能性があります。
一方、2階以上では、
-
目的来店
-
予約型の営業
-
WEB・SNS等からの集客
-
1階以外も含めた物件選択肢
などを考えながら物件を選べます。
ただし、どちらが優れているかを一律に決めることはできません。
確認すべきなのは、
-
お客様はどうやって店を知るのか
-
どこから来店するのか
-
通りがかりの集客がどの程度必要か
-
看板をどこに出せるか
-
入口まで迷わないか
-
階段・エレベーターに問題はないか
-
営業時間と建物の利用条件が合っているか
-
必要な設備を確保できるか
-
賃料や工事費が事業計画に合うか
です。
特に新規開業では、
「店舗なら1階の方が良さそう」
「2階なら安そう」
といったイメージだけで決めないことが重要です。
1階でも道路から見えにくい物件はあります。
反対に2階以上でも、建物入口が分かりやすく、案内表示があり、予約や検索から来店するお客様が中心なら候補になる場合があります。
「1階か2階か」ではなく、「この場所・この階で、自分のお客様が無理なく店舗を見つけて来店できるか」。
この視点で比較することが、自分の事業に合った店舗選びにつながります。
これから開業する店舗を探すなら「テナントサガス」
テナントサガスでは、これから開業・出店を考えている方に向けて、店舗・事務所などの事業用物件を掲載しています。
物件を探す際には、
-
希望エリア
-
業種・業態
-
賃料の上限
-
必要な広さ
-
希望する階数
-
必要設備
-
集客方法
-
開業予定時期
などを整理しておくと、候補を比較しやすくなります。
「1階で探すべきか迷っている」
「2階でも自分の業種なら候補になる?」
「賃料と立地のどちらを優先すればいい?」
という場合は、まず自分の店舗で、
誰に来てもらいたいのか
そのお客様はどうやって店舗を知るのか
店舗までどのように来店するのか
を整理してみましょう。
そのうえで、1階路面店だけに限定せず、条件に合う物件を比較することで、選択肢が広がることがあります。
階数だけにこだわらず、開業後の集客と店舗運営まで具体的にイメージできる物件を選ぶことが大切です。